物価3分の1は昔の話 2015年のマレーシア物価

かつてマレーシアの物価は日本の約3分の1といわれた時期があり、インターネット上の多くのサイトにも「物価3分の1のマレーシアで豊かな生活」といった記載が残っている。しかし、2015年を迎えた現在、マレーシアの街で買い物をしてそのような感覚を得られることはほとんどない。

<2016年のマレーシア物価の記事はこちら>

物価3分の1は過去の数字

 マレーシアのような新興国にロングステイする場合、将来のインフレ率や物価指数の上昇を見越して滞在費を見積もっておかなければ、いつかは家計が破たんすることになりかねない。IMFが公表している消費者物価指数(消費者が購入する商品やサービスの物価変動を表す指数)を見ると、マレーシアの物価指数の上昇傾向がよくわかる。2010年を100とした場合、日本はデフレ状況からようやく脱してやや上向きといったところだが、マレーシアは2000年以降、年平均2.35%で上昇して2015年は115ポイントになる予測となっている。つまり、物価指数だけみても2010年から15ポイント上昇している。現地で物価の上昇を実感できるほどとなっているとの一致している。 CPI あと2年間をマレーシアで暮らせば、2017年中には125ポイントに到達する予測となっている。日本もインフレ目標を2%に置いているので、二国間の物価指数の差がどんどん開いていくということではないものの、日本とマレーシア、どちらの国に住んだとしても物価が上昇していく予測となっている。なお、このIMFの数字には昨今の米ドルなどに対するマレーシア通貨の下落を織り込んでいないため、輸入品価格を押し上げることで指数が上振れする可能性もある。

実際のスーパーマーケットでの食品価格は?

マクロで見た際の物価指標が上昇していることは上記の通りだが、それでは実際にスーパーマーケットで手にするモノの値段はどうだろうか。クアラルンプール市内でよく見かけるスーパーマーケットを取材した。vegetable まず野菜コーナーでいくつか野菜などをピックアップ。現在の為替レート(1RM=34円)で円建てに換算した。 vegetable_Price1 マレーシアはイスラム国家なので、豚肉やアルコール飲料は「Non HALALUコーナー」でしか売られていない。お会計もスーパーマーケットのレジではなく、「Non HALALUコーナー」で行う。 PorkEgg rice 日本からの輸入品は割高なので、食費を押さえるには日本からの輸入品になるべく頼らない買い物が必要となる。 JapanFood1 あくまで一例を掲載したにすぎないが、これらの食品価格を見て、日本の物価の3分の1と感じられるだろうか。もちろん、日本よりもまだまだ安いものもある。例えば、屋台で食べるローカルフード、ホテル宿泊代、モノレールやタクシーの交通費、ガソリン代、ゴルフプレー代などだ。ちなみにガソリン代は2.26RM/1Lだったので、79円/1Lほどということになるが、これも3分の1とは言えない。

なお、よく物価の比較で使われるビックマック・インデックス(2015年1月)を見ると日本の3.04ドルに対して、マレーシアで販売されるビックマックは2.11ドルで、日本より3割ほど安い価格設定となっている。

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2年後の2017年の物価予想

円安で異変、マレーシアでの年金生活 でも記載した通り、アベノミクスによって今後も円安・リンギット高が予想されること、マレーシア国内での物価が毎年2.3%以上の水準で上昇していることを勘案すると、2年後には円建てで今よりさらに5%~10%ほど小売価格が上昇する可能性が高い。 現在、スーパーマーケットでの小売価格が2年後、仮に今よりも10%上昇した場合、2年後の予想価格(円建て)は以下のようになる。インターネット上の記載をみて物価が安いからとマレーシアへの移住を計画されている方は注意が必要だし、今後もマレーシアで生活されていく方にはこのような物価上昇を考慮にいれた滞在計画が必要ということだろう。forecast

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Issued by 「マレーシア ソーシャルナビ 2015」

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