ムスリム礼拝場所、礼拝室の作り方とイスラム礼拝用マット

マレーシアなどイスラム圏からムスリムのインバウンド、訪日数が急増している。しかし、ムスリムといってもなじみがない方も多く、どのように受け入れてよいのか戸惑う関係者も多いのではないだろうか。そこで、ムスリムおもなてなし術として「礼拝場所の作り方」をご紹介しておきたい。

急増する訪日ムスリム インバウンド

日本政府観光局(JNTO)が発表している統計データによると2016年のマレーシアからの訪日人数は約38万人で前年と比べて30%近く増加した。マレーシア人口の約6割はイスラム教徒(ムスリム)なので、ムスリムの訪日数も急増していることだろう。実際、日本行きの飛行機では多くのムスリムの姿を見かけることができる。新千歳空港や関西国際空港とクアラルンプールの直行便の増設も予定されており、今後も増加していくことは間違いない。

世界ムスリム旅行指数で日本は37位

ムスリムが快適に旅行できる国かどうかを示す「Global Muslim Travel Index (GMTI) 」という指数がある。堂々の1位はマレーシア。日本は37位と低迷しており、まだまだムスリムが快適に旅行を楽しめる状況にはなっていない。日本政府観光庁が発行した「ムスリムおもてなしガイドブック」では主に「食事のムスリム対応」と「礼拝場所の対応」を取り上げていて、ムスリム対応の準備を始めるにあたって参考になる。
基礎知識編: http://www.mlit.go.jp/common/001101141.pdf
実践編: http://www.mlit.go.jp/common/001101142.pdf
付録編: http://www.mlit.go.jp/common/001101143.pdf

ムスリム礼拝室の作り方

ムスリムおもてなしの第一歩として比較的簡単に準備できる「礼拝場所の対応」をご紹介しておきたい。イスラムの教えでは1日に5回、夜明け前、昼、午後、日没後、夜に礼拝を行う決まりがある。そもそも、マレーシアのイスラム教徒(ムスリム)はどのような場所で礼拝を行っているのだろうか。実例を交えながらご紹介する。

1.礼拝の準備のために

まず礼拝の前には手、口、鼻、腕、髪、足を水で清める。(礼拝前の洗浄はウドゥと呼ばれている)足はくるぶしまで洗うので、腰を掛けて足を洗える場所が礼拝所の近くにあることが望ましい。手洗い用の洗面台しかない場合は足元に洗面器を置くなど工夫したほうがよいだろう。

次に礼拝場所には土足で入ることはできない。脱いだ靴を置ける靴箱などを用意しておく。

Muslims-Prayerroom1

ウドゥ (小浄)の施設

2.礼拝場所の用意

1日に5回の礼拝が義務とされているため、マレーシアの公共施設や職場、ショッピングモール等にはスーラウ(Surau)と呼ばれる礼拝所が設置されていることが多い。また、毎週金曜日の礼拝の際には付近にある大きなモスクに行って集団で礼拝を行う。大きなモスクともなれば一度に何千人ものムスリムが整然と並び礼拝を行う。

Muslims-Prayerroom2

<礼拝所の特徴>

そのようなモスク以外で実際にマレーシアの職場や宿泊施設、ショッピングモール、レストランなどで見かける礼拝場所は以下のような特徴がある。

・清潔に保たれていて、礼拝に集中できる静かな場所

・礼拝に関係ない人の出入りがない部屋

・靴を脱いで入ることができる

・近くに洗い場所がある

・複数人で同時に礼拝をおこなう場合があるので、数人が入れる広さがあった方がよい

・外から見える場合にはカーテンなどで仕切られていた方がよい

・人形などの置物、人物像、動物やお酒に関係するものは置かない

・天井などにキブラ(メッカの方角)を示す矢印が示されている。

・1日に5回の礼拝があるので、何時でも自由に出入りできる場所が望ましい

・通常、男女は別々に礼拝を行うので、男女が離れて礼拝できるの広さがあるかパーティションで仕切れることが望ましい

<礼拝室の実例>

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礼拝場所の例

旅行中のムスリムの礼拝については、礼拝回数を減らしたり簡略化して5分くらいの礼拝を行うこともある。礼拝場所について完璧ではないとしてもなるべく以上のような場所、部屋を用意することでおもてなしの心が伝わりムスリムの好感度をあげることができるだろう。

3.礼拝用マットを用意

礼拝場所の床はフローリングでもカーペットでもよいが、礼拝時には写真のように床に頭を付けて行うので、礼拝用マットがあった方がよい。礼拝用マットはちょうど1人分の礼拝スペースでもある。あらかじめ礼拝室に敷いて置く場合はメッカの方角に礼拝できるように敷き方に注意する。Muslims-Prayerroom5-2

礼拝マットはできるだけ正式なものを用意したほうがよい。左右対称でイスラム調のデザインで織られている。

日本でもAmazonでムスリム礼拝用マットと検索すれば簡単に見つかり入手することができる。

   

4.案内板の設置

<メッカの方向を示す(キブラ)>

礼拝時は必ずメッカ(カアバ神殿)の方向を向いて行う。その方角のことをKIBLAT(キブラ)と呼ぶ。昔からキブラコンパスを使って方位を確認することができるが、最近ではスマートフォン アプリで礼拝時間やキブラの方向を確認することもできる。礼拝場所の天井に「KIBLAT」と表示した矢印を付けておくと喜ばれるだろう。

<Prayer Roomの案内>

礼拝室(Prayer Room)の場所を案内したり、礼拝室の入り口にする写真のような掲示することで、ムスリムが安心して利用することができるし、礼拝とは関係ない人の入室を防止することにもなる。(KIBLAT案内版の画像 礼拝室案内板の拡大

Muslims-Prayerroom6

その他の案内

ムスリムおもてなしガイドブックの付録編より英語表記の案内文を引用

礼拝場所

空きスペースを礼拝用にご利用いただくことができます。A Spare space can be used for prayer purposes.

男女別

男性と女性は同室ですが、パーティションで仕切ることができます。Only One prayer room is available, but male and female can be separated with a partition.

洗浄設備(Wudu Facility)

洗浄用に近くの水場をご利用いただけます。Nearby water taps can be used for Wudu purposes.

方角表示(Directional signs)

キブラの表示をしています。Kiblat signs are available.

礼拝時間情報の提供(Prayer Schedule)

礼拝時刻表をプリントアウトして提供いたします。Prayer scheduling is available upon request.

道具の貸し出し(Prayer Items)

礼拝マットの貸出しをしています。Prayer mats are available upon request.

先にご紹介した世界ムスリム旅行指数で日本のPrayer space accessの点数は100点満点中20点しかない。礼拝場所の対応を強化するだけでもムスリムに日本のおもてなしの気持ちが伝わり、日本での旅行の満足度を引き上げる余地が十分にあるだろう。

Issued by 「マレーシア ソーシャルナビ 2017」

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