会社を辞めて家族でマレーシアに移住した理由 子育て編と仕事編でも触れてきたように、将来、日本の人口動態の急激な変化によって、今まで誰も経験したことのないビジネス環境、社会環境が出現した場合、今まで安定していた国の制度や経済インフラ、社会インフラが突如として機能不全を起こすこともあり得ると想定しておいたほうがよい。
不測の事態は突然やってくる
安定的に稼働しているように見えるものも、日々少しずつ現実とのギャップや歪みが生じているものだ。国や自治体、企業はその変化にあわせて対応しているが、あまりにも急激な変化を伴った場合には、その変化に対応できず破たんするリスクが高くなる。生活を支えるインフラ部分に何らかの障害が発生した場合、つまり“いざという時”には第2のインフラを使えたり、家庭環境ごと別のインフラに移動させたりして家族の生活を維持させられる選択肢をもっておいたほうがよいだろう。
ITの世界で例えると・・・
人間が作ったシステムで100%完璧ということはないので、ITの世界では何らかの障害やエラーが発生することを前提にシステムを設計している。下の図のようにサーバー機器のハードウェアに何らかの障害が発生することは十分想定されるので、そうなった場合にシステム全体が停止するのではなくて、瞬時に別のハードウェアに移行してサービスを継続できるように設計されている。
いざという時を想定する
この考え方を自分の家庭や仕事にあてはめてみると、国や通貨、年金などの社会インフラ、勤務する会社や銀行など経済インフラ、自分が住む土地や地域、家などの生活インフラなどが「ハードウェア」の部分に相当するが、変化の激しい時代を迎えるにあたって、これらの人間が作ったシステムは何らかの障害や不具合が発生するということを想定しておいたほうが家庭のサバイバル力は向上すると思う。
不動産を購入ということは・・・
こう考えると生活するための土地や家を購入して所有するということは、先に書いたようなハードウェアに固定されるため、環境が大きく変化したときの選択肢が限られてしまうリスクを理解しておいたほうがよいだろう。特にこれから長期間のローンを組んで不動産を購入する場合には、銀行の預金すらも当てにできないかもしれない不透明な時代であっても十分に返済できる余力を持っていることが必要とされると思う。
生活インフラを多重化する
それでは、そのようなことを想定したとして、個人レベルで現実的にどのような備えができるのだろうか。1つの考え方がITの世界と同様に、障害発生時に使えるインフラ部分を多重化しておくということだ。例えば、収入源、保有する通貨、生活できる地域・国などを複数もっておく。この際にできるだけ分散化しておいたほうが障害には強くなる。収入源なら日本と海外でもつとか、日本の銀行で円とドルを持つのではなくて、海外の銀行口座を開いて外貨を持ったほうがよい。
マレーシアにはMM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)という10年間の長期滞在が許可されるビザの制度があるうえ、多角的に見て日本人にとって生活しやすい環境が整っているので、第2の国を探す場合には検討する価値がある。
サバイバル術は人、家族でそれぞれ
この数年だけを振り返ってみても東日本大震災のような自然災害、あるいは世界的な金融不安やテロによる脅威、原子力発電所事故といった人的災害が発生し、多くの家族が変化や対応を強いられてきた。実際にマレーシアには、放射能による汚染を危惧して日本から家族で移住された方もいると聞く。
家族ごとに状況は異なるし大事なものが違うので、サバイバル術といっても多種多様だと思うが、不測の事態が発生したとしても慌てず対応できるように普段の生活の中で当たり前にあるものを疑ってみて、それがなくなったり使えなくなったりした時にどう対処するかを準備しておくことはこれからの時代を生き抜くにあたって必要な視点だと思う。
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