2020年、世界人口の4人に1人がムスリムに
米国の調査会社 Pew Research Centerによれば、2010年の時点で世界で約16億人に上るイスラム教徒(ムスリム)人口のうち、約6割の約9億8600万人がアジア・太平洋エリアに住んでいる。今後もムスリム人口は増加しつづけ、2020年には19億人に達すると予測されている。単純計算で世界人口の4人に1人がムスリムということになる。
人口の60%以上がムスリムのマレーシアにおいて、2020年といえば、政府が先進国入りを果たすと公約している年。マレーシア政府は2020年までに先進国の地位を獲得するという国家ビジョン(Vision2020)を掲げており、その具体的な目標の1つが一人当たりの国民所得を2011年の23,700リンギから48,000リンギ(約158万円)に倍増させるというもの。マレーシアでの2014年度の1カ月の世帯収入の平均は5,900リンギット(約19万4000円)なので、それも倍増するということになる。
急増するムスリムのインバウンド
日本で2020年といえば東京オリンピックが開催される年。おのずと世界から注目が集まるなかで、もともと親日国で日本文化に親しみを持つ国民性に加えて、生産年齢人口が拡大し、所得水準も倍増するマレーシアの多くの国民が日本製品の購入や日本への旅行に関心を高めることは間違いないだろう。すでにマレーシアから日本に旅行するのインバウンド数はこの数年で急増している。2012年から2014年の2年間でほぼ倍増という結果もでている。(マレーシアからの訪日客が2年で倍増する理由)
世界中から来日する旅行者を迎え入れるため、日本は国を挙げて交通インフラや宿泊施設などのハード面で充実させる一方、多国語に対応できる道案内やレストランなどソフト面での更なる充実も図ろうということで声が高まっているが、はたしてムスリムを迎え入れるための理解やその準備は広まっているだろうか。
ムスリムが来日時に抱える不安とは
電通が2014年7月、インドネシア、マレーシアに住むムスリム320人にインターネットで実施したアンケート調査によれば、回答した4割弱のムスリムが「1年以内に日本に行きたい」と回答しているが、一方で「お祈りの場所や方角表記が少ない」「ハラルメニューを扱っているレストランが少ない」といった不安を抱える人がそれぞれ約6割いたという。「ハラル認証」「ハラル処理した食材」を求める人はインドネシアで6割弱、マレーシアでは8割弱となっているが、現状の日本ではとても対応しきれていない。
巨大市場の獲得にむけて、国をあげた取り組みが必要
昨年あたりから日本政府が実態調査(イスラム開拓へ政府が実態調査 [日本経済新聞2014年8月5日朝刊])に乗りだし、一部の民間企業ではハラル認証を取得するケースや大学の食堂でハラル処理した食事を提供するなど活発な動きが始まっている。まずはムスリムの習慣やハラル自体の理解を深めたうえでその文化に対応した製品やサービスを磨き、さらにはムスリムに向けて情報発信していくことで2020年という絶好のタイミングにおいてハラルマーケットでのプレイヤーとして活躍することができるし、マレーシアだけではなく19億人ものムスリムという巨大な市場に乗り組むことができるということだろう。
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