群雄割拠のマレーシア!ECサイト市場の最前線

2015年11月22日、クアラルンプールで開催されたASEAN首脳会議に東南アジア諸国連合(ASEAN)と日米中など18カ国が一堂に会し、ASEAN共同体(Asean Community)の年内発足を宣言する「クアラルンプール宣言」を採択した。そして、2015年の大みそかに宣言通りACEが発足され、域内総人口6億2000万人の市場をめぐる合戦の火ぶたが切られた。

アセアンEC市場のプラットフォームを狙うトランス・コスモス

「クアラルンプール宣言」の採択から2日後。このタイミングを狙っていたかのようにトランスコスモス株式会社はマレーシア最大のECモール「Lelong.my」などの運営企業であるINTERBASEと資本提携を発表。日本からASEAN市場にEC進出する企業を支援するグローバルECワンストップサービスの拡充を表明した。

トランスコスモス社は日本でのITアウトソーシングで培ったノウハウをもとにASEAN地域でのEC運営をワンストップで提供することを目指している。これまでにタイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、シンガポールのローカル市場で主要なECサイトに資本投下しており、マレーシアのINTERBASEでASEAN地域での最後のピースが埋まった格好だ。

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Alibaba(阿里巴巴)がLazada(ラザダ)に出資

2016年4月、今度は中国のEコマース巨人 Alibaba(阿里巴巴)が動いた。東南アジア最大級のEコマースプラットフォーム「Lazada(ラザダ)」を展開するLazadaグループに約10億ドルを出資したことを発表したのだ。インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピンの6か国で事業を展開しているラザダ買収により、一気にアセアンEC市場での勢力拡大を狙う。

現在のASEAN各国でのECサイトでの購買率はシンガポールを除いて3%以下しかないが、今後市場環境の変化とともに先進国並みの購買率に上昇することで、ASEAN地域に巨大なEC市場が誕生することが予測されている。アリババもこの成長余地に目を付けたということだろう。

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マレーシアで苦戦する日系資本のECサイト

トランスコスモスやアリババのようにローカル企業との資本提携によりアジア進出を手掛ける企業がある一方、自己資本でマレーシア進出を手掛けてきた日系のECサイトは苦戦を強いられている。住友商事グループの100%出資で2014年9月にグランドオープンしたECサイト「SOUKAI.my」は約2年3ヵ月でHERMISO ECOMMERCEに事業売却して戦線離脱。また、楽天市場はシンガポール、マレーシア、インドネシアのマーケットプレイスを2016年3月で閉鎖するなど、この半年ほどだけでもマレーシアのEC市場は激変の様相だ。

日本ではよく知られている会社でもアセアン市場では知名度が低い。リアル店舗を持たないECサイトともなればブランド力、信用力をつけるためには時間がかかる。広告宣伝費、倉庫や物流、人件費などの初期投資も大きくなるなか、思わぬ「落とし穴」も多く、事業として採算がとれるまでに想定以上に時間がかかることが多い。

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ラスト・ワンマイルにある物流インフラの落とし穴

続々とオープンするリアル店舗との競争も激しくなる。クアラルンプールでは大型ショッピングモールが次々と誕生していて週末ともなれば大勢の消費者がモールで時間を過ごす。リアル店舗では見つけにくい商品や利便性を開発していく必要があるだろう。

ブランド力をつけ、差別化できる商品開発に成功し、見栄えのよいWebサイトを構築して、SEO対策を施し、SNS連携やオンライン広告を展開し、アクセス数やコンバージョン率を高めたとしても、ラストワンマイルで待ち構える落とし穴が「物流インフラ」かもしれない。

「商品がいつ届くのかわからない」「不在中に届いたら再配達してもらえない」「ドライバーから連絡があって突然来ることもあれば、来ると言っていたのに来なかったりする」「重くてかさばる商品だからECサイトで購入したのに再配達してもらえず、近くの郵便局まで受け取りに行くことになった」といった不満も聞こえてくる。

予定通りに荷物が届かないことなどマレーシアの商習慣としては”いつものこと”だが、だとしたら自宅付近に次々とオープンするショッピングモールに出かけたほうが便利ということになってしまう。以前のブログのように宅急便がサービス範囲を拡大してきており、日本品質の宅配サービスの浸透に期待したいところだ。

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アセアンEC市場の最前線をみる

ASEAN共同体により域内の「モノ」「ヒト」「サービス」の自由化が進み、さらなる経済発展が見込まれるアセアン市場。そして群雄割拠のマレーシアEC市場。まだまだ落とし穴がたくさんある現在の市場環境では、地の利を生かしたローカル企業のほうが有利だ。しかし、今後、先進国と同様にインフラや法の整備、経済統合が進展していけばAmazonなどグローバルプレイヤーも市場参入しやすくなり、さらなる激戦が予想される。どのECサイトが生き残るのか、域内総人口6億2000万人のアセアン市場をめぐる合戦から目が離せない。

SimilarWebでは各サイトの訪問者数ランキングやアクセスの最新トレンドを調べることができる。また、2016年5月~6月にかけて立て続けにクアラルンプールでECコマース関連のイベントが開催される。アセアンEC市場の最前線を知る機会として活用してはいかがだろうか。

Similarweb

6TH ASIA ECOMMERCE CONFERENCE

会期:2016年5月25日

会場:THE ROYALE CHULAN HOTEL, KUALA LUMPU

Asiaecommerce

E-commerce EXPO

会期:2016年6月3日~5日

会場:MINES International Exhibition & Convention Centre (MIECC)

Ecommerceexpo

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Issued by 「マレーシア ソーシャルナビ 2016」

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