マレーシアでネットビジネスを支える宅急便

クアラルンプール市内のモノレールに乗っていると、多くの乗客がスマートフォンを利用している。日本でもおなじみの光景だ。FacebookやWhatsAppなどSNS系アプリの利用はもちろんのこと、礼拝時間を教えてくれるアプリまであって、スマートフォンは生活に密着した存在となっている。

マレーシアでの100人当たりの携帯電話普及率 は144%で、日本の115%を抜いて世界トップクラスの普及率。ちなみにインターネットの普及率はマレーシアで67%(日本は86%)だから、マレーシアではインターネットが普及し終える前にスマートフォンが登場して、普及率を一気に押し上げた格好となっている。

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携帯電話普及率 国際比較統計 マレーシア、シンガポール

モバイルが引っ張る eコマース市場
このインターネットおよびスマートフォンの普及率増加に伴い、マレーシアでも成長してきているのがオンラインでのショッピング サイト。今日、そのうちの1つ「Easy Mall」のセミナーに参加してきたのだが、オンラインショップを始めようとしている参加者を対象に、オンラインショップを開設する際のサイトデザイン、ショップ運営、決済システムなど一通りの機能を紹介していて、ショップビギナーにも簡単に使える印象だった。セミナー終了時間がすぎても次々と質問があがって熱気にあふれていた。

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オンラインショップの足は ”TA-Q-BIN”
その参加者からの質問で「顧客への商品の配達はどのようにすればよいか?」という質問に対して、「”TA-Q-BIN”の利用を推奨」していたのは印象的だった。マレーシアでは、2011年9月から”TA-Q-BIN” (宅急便)の事業を開始されていて、すでに主要なすべてのオンライン マーケットプレイスで”TA-Q-BIN”がPOS Malaysia と並んで配送サービスの1つに採用されている。つまり、マレーシアで各オンラインショップが成長すれば”TA-Q-BIN”の利用も増加する仕掛けがすでにできていると言える

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日本からの参入の架け橋にも
さらに2014年9月に住友商事がグランドオープンさせた日本発のSOUKAI.myでは、マレーシアヤマト運輸と提携して日本の配送からマレーシア現地での宅配まで一貫した配送サービスを手掛けている。SOUKAI.myは「日本のサービス品質でユニークな商品をお届けする」ことをミッションに掲げており、日本を始めマレーシア国外からの輸入品を含めた幅広い商品を揃えている。(住友商事のプレスリリース

次々と国境をまたいだオンライン マーケットプレイスが誕生してくるなかで、日本が生んだ品質の高い宅配サービスがネットとリアルをつなぐ貴重な接点となり、商品だけではなくマレーシアに日本のサービス精神をも運んでくれることを期待してやまない。