CIMBクラシックで垣間見るマレーシアのツーリズム施策

2014年10月30日から11月2日までクアラルンプール ゴルフ&カントリークラブで「CIMBクラシック」が開催されている。日本からは石川遼選手や松山英樹が参戦、ほかのプレイヤーも実力者がそろって出場していて大会を盛り上げている。このイベントは2010年からスタート。当初は賞金ランク加算外の非公式イベントだったが、昨年からPGAツアーに格上げされ、フェデックスカップシリーズの一部となっている。

CIMBClassic

実はこの「CIMBクラシック」ゴルフはマレーシア政府観光局により観光政策の1つとしてバックアップされている。マレーシアは国家運営の基本方針として掲げるビジョン「Vision2020」の実現に向けて、様々な政策・指針を推進しているが、ツーリズムによる観光産業の育成もそのうちの重点分野だ。

Truly Asia  Truly Asia

「Malaysia Truly Asia」はマレーシアのツーリズム施策の核となるキーフレーズで、1999年から使われている。品川駅を使われる方は高輪口を出てビルを見上げると巨大なマレーシア政府観光局の「Malaysia Truly Asia」看板があるので見たことがある方も多いだろう。日本では東京と大阪に政府観光局が管轄する海外事務所を設置していて日本からの誘致施策を展開している。

「Malaysia Truly Asia」というビックピクチャーのもと、マレーシア国内ではキッザニア・クアラルンプールやジョホールバルのレゴランド、大型アウトレットモールの新設など続々と新設されているし、いわゆるMICE (Meeting、 Incentive、Convention、Exhibition)分野でも細かく目標値や推進組織を決めて実行しており成果を上げはじめている。このような施策は積極的にインターネットサイトやパンフレットで積極的に情報発信されているので、日本―マレーシア間での観光施策を検討する場合には参考にしていきたい。

ところで、昨日初めてギャラリーとして参加した「CIMBクラシック」ゴルフトーナメント。海外からの有名選手は大変多くのギャラリーを連れてラウンドしていたが、マレーシア人の2選手にはほとんど誰もいない状態。マレーシア人ゴルファーの育成が遅れているのか、ギャラリーにマレーシア人が少ないのか原因はわからないが、海外からの誘致に力を入れる一方で、国内需要も活性化させていく難しいかじ取りを行っているマレーシア政府の一端を垣間見た瞬間だった。

Issued by 「マレーシア ソーシャルナビ 2014」