屋台の賑わい? マレーシアのPCエキスポ会場

昨日、ミッドバレーで催されていた「PC エキスポ 2014」会場に立ち寄った。日本でIT系のExpoといえば、各メーカーの出展ブースがあって、プレゼンテーションやセミナーが開催されているイメージだが、ここマレーシアのPC Expo 2014は様子がまるで違っている。PCExpo2014

各メーカーのブースがあるのは同じだが、展示即売会のような様相。イベント期間中だけの特価商品やタイムセールなどのチラシをバラマキながらどんどん来場客にセールスしてくるし、来場者もそれを目当てで訪れている。まるで屋台通りを歩いているような賑わい。

PCExpo2014

日本ではこのような光景はあまり見られない。なぜならこのようなイベント会場でメーカー自らが勝手に小売価格を下げてセールス活動していたら、量販店からこっぴどくお叱りを受けることになるだろうから。日本のように流通チャネルが整備されていて、各商流での役割が明確になっている業界構造の場合は「出展=セールス」という単純な活動にはなりにくいのが現状だ。

今年9月に開催された旅行の総合展示会「MATTA FAIR」でも同様のことを感じたが、このフェアー会場でもブース出展団体(旅行会社など)はその場で旅行パッケージなどの商品を積極的に販売していた。

MattaFair

このフェアー会場だからこそ購入できる割引チケットなどがあったりして、来場者の購買欲を刺激する仕掛けとなっている。今年の「MATTA FAIR」では大々的に日本コーナーが設けられていて多くの来場者で賑わっているのだが、そのコーナーでは特価商品どころか日本への旅行ツアーパッケージのセールス活動もほとんど行われていなかった。北海道から沖縄まで、各地の名所や特産物などのご紹介レベルでとどまっている。なぜならほとんどの出展団体が県や市町村だから。そもそもセールス モーションをとることができないのだ。

日本からマレーシアに来て丹精込めて作った日本ブースで日本の価値を紹介した結果、その隣のブースで中国やマレーシアの旅行会社が日本向けのツアーを受注しているという構造になっていた。それはそれでいいのかもしれないが、あと一歩踏み込むことはできなかったのか。

日本では小売流通チャネルや各業界内の棲み分けが高度に発達しているため、展示会での役割はここまでと決めてしまいがちだが、その先入観でマレーシアでの展示会参加を準備してしまうと現地の消費者に直接的なセールス活動をおこないその反応を見られる貴重な機会を逃してしまいかねない。もちろん現地での販売、アフターサービスの仕組みがあることが前提となるが、マレーシアでの展示会やExpoのようなイベントは市場開拓を行ううえで、いわゆるAIDMA(Attention, Interest, Desire, Motive, Action)のAttention からActionまでを超短期間に実行できる機会としてとらえることもできると感じた。

Issued by 「マレーシア ソーシャルナビ 2014」